新しい政治システムの可能性(8)・・・平和学(Ⅱ) |
平和とはどういう状態をいうのでしょうか?或る国が他国から何も奪わないで、現状を維持することでやっていけること。地域間でも同じことが言えるでしょう。
昔は他国から奪うとは領土のことでした。領土の拡大が、その国の富の増加と直結していたのです。「大帝国」などの言葉がそれをうかがわせます。現代では、それはほとんど経済的な略奪・侵略を意味するようになりました。この略奪が経済面に限られているとしても、これを平和を維持しながら続けることはほとんど不可能でしょう。国家間の経済(貿易)で、現在が互いに現状維持で満足できれば平和は維持できるはずです。もし、これ以上の利益の増大を望むと、平和維持は難しくなる。争いごとの連続となるでしょう。
ということは、平和を維持するためには一国内での経済の「現状維持」が不可欠ということになります。これを実現するためには、国民全員の経済成長を無用のものとするコンセンサスが必要条件となります。これは個人の人生設計にも深く関わる問題で、このコンセンサスを得るためには教育の内容の根本的な変革が必要不可欠です。一言でいえば、「欲望のコントロールができる人間」を作ることです。「もったいないの心を持った人」、「満足できる人」、「欲望の拡大ではないところで人生を楽しめる人」、・・・・などなど。